和菓子が五感で楽しむと言われる理由とは?

2019年12月1日日曜日

菓子つくり 五感

お茶会や七五三など秋の行事が終わって気付けばもう12月となりました。今年の秋はお天気もそうですが例年以上に足早に過ぎ去ってしまいました。
本日は少し前にお茶をされている方とお菓子についてお話をした際に出たものを改めて考えてみました。その時はお茶席に出されるお菓子の名前とデザインが主でした。ですが、茶席全体もそうですが、お菓子自体も五感で楽しむものと言われます。そのあたりをもう少し掘り下げてみたいと思います。
和菓子は日本の伝統的なお菓子です。種類もたくさんあり、さまざまな行事や風習とも密接に繋がっているものでもあります。
そんな和菓子ですが、折々「食べる芸術」や「食べる宝石」、「五感で楽しむ」と言われることがあります。もちろんチョコレートやケーキでもこういった表現がされることはあります。しかし、これはいったい何を表しているのか改めて考えてみたいと思います。

五感で楽しむとは?

五感とは
視覚
聴覚
触覚
味覚
嗅覚
の5つを言います。
実際にお菓子を食べるところをイメージして考えてみたいと思います。お菓子を器に盛って、お茶と一緒に目の前に出されるところをイメージして見てください。
まずお菓子の概観が目に入ります。見た目、視覚です。華やかで綺麗だったり、綺麗な焼き色が美味しそうに見えたり見た目もさまざまです。続いてお菓子を手元に引き寄せて。どら焼や大福だったりすれば手でとってぱくっといきますよね。ここで手で触れたりかじったりします。触覚です。そしてかじったり口元に近づけたりすると香りが感じられます。嗅覚です。さらに実際に口に含んで食べると味覚が感じられます。こう書くと食べるのがめんどくさそうに感じてしまうかもしれませんね。実際は目でみて、食べて味わいながら香りや味、食感を同時に味わうような感じかもしれません。
ここまでで出てきていないのが聴覚、耳ですね。お菓子に音はあまりしません。中には音がするお菓子もあります。お煎餅や最中、クッキーなどもパリッとかざくっと音がするものがあります。これもそうですが、もうひとつ大切な音があります。和菓子は茶道の発展とともに一緒に発達してきた経緯があります。その茶道の中で「菓銘は?」「○○でございます」というやり取りを聞いたことがありませんか。特にお茶席に出されるお菓子というのはその席の趣向や季節を表現したものでそれぞれ名前が付いています。菊のお菓子でも「着せ綿」や「菊花」「千代見草」「優草」「齢草」「仙家の香」などさまざまな名前がつくことでよい具体的なイメージを表現しています。この銘を伺うやり取りもお菓子、特に和菓子を楽しむ聴覚のポイントなのではないかなと思っています。
店頭でもお店ごとにいろいろな名前が付いています。お店に足をお運びの時はぜひそのあたりもご覧になっていただければ幸いです。